

個人事業主になったり、会社を設立したり、副業を始めたり。
そこには必ず確定申告が付いてきます。
自分で確定申告するのがお得なのか、税理士に頼んだ方がいいのか?
今回は両者のメリット・デメリットを紹介していきます。
Contents
確定申告をする上で大切なのはどんなこと?
確定申告は、簡単に言うと『収入から必要経費などを差し引いて所得・税額を計算し、税務署に申告・納税をする』ということです。
この『必要経費』をいかにもれなく計上できるかが、確定申告の肝。
必要経費が多い=所得を減らせることになるため、節税効果が期待できます。
ただ、『経費にできるのか?できないのか?』の判断がなかなか難しいところ。
いくつか例を挙げてみましょう。
例1) 飲食店での飲食代
友人や家族と、プライベートで出かけた飲食代を経費にはできません。
しかし、取引先を接待するための飲食代であれば、必要経費として計上することができます。
例2) 自宅と仕事場を併用している場合の家賃
これも必要経費として認められています。
ただし、建物全体の内仕事に使っている面積・時間はどれくらいの割合か?
それに応じて、必要経費に計上できる量が変わってきます。
このように、必要経費に計上できるかどうかは、事業に必要な経費かどうかを考えなくてはいけません。
事業に必要でない経費を計上してしまった場合、修正申告や追徴課税(ペナルティ)が発生し、損することも…
そう考えると、不安になって税理士にお願いしたくなりますよね?
ただ、慣れれば自分でもできるようになるんです。
仕事柄、多くの事業者の確定申告相談に乗りますが、自分で確定申告を済ませる方もたくさんいます。
自分で確定申告した方が得な方もいます。
それでは、確定申告を税理士に依頼する場合と自分でやる場合、どちらがいいのかを、これから比較していきましょう。
確定申告を税理士に依頼する場合
まずは、確定申告を税理士に依頼するメリット・デメリットについて解説していきます。
税理士に依頼するメリット
確定申告を税理士に依頼するメリットは以下のとおりです。
ポイント
・税務署からの問い合わせにも対応してもらえる
・経理に充てる時間がなくなり、事業に集中できる
やはり大きなメリットは、確定申告作業に時間を取られないので、事業に集中できることですね。
経理ばかりに時間を取られて、事業が疎かになるのは本末転倒。
また、税理士に依頼することで、必ず期限内に確定申告を終えることができます。
自分でやる場合、うっかり期限過ぎたなんてこともありますからね。
期限を過ぎると追徴課税(ペナルティ)があるので、気をつけましょう。
税理士に依頼するデメリット
確定申告を税理士に依頼するデメリットは以下のとおりです。
ポイント
・金銭感覚や経営の知識が身につかない
費用が発生する、という点がやはり最大のデメリット。
収益が大きくないうちは、税理士に支払う報酬は結構な負担ですよね。
また、自分で確定申告する場合と比較して、金銭感覚が養いづらいです。
経営のムダを見つけたり、新たな事業へ投資したりする際には、金銭感覚が重要になってきます。
確定申告を自分で全部やる場合
次に、確定申告を自分で全部やる場合について、解説していきます。
自分でやるメリット
確定申告を自分でやるメリットは以下のとおりです。
ポイント
・自分でやる分、費用を抑えられる
税理士に確定申告を依頼すると、約20万円程度(丸投げの場合)の出費になります。
そこを抑えられるのは大きいですね。
もちろん税理士報酬も必要経費なので節税になりますが、一番の節税は出費を減らすこと。
余計な出費を減らすことで、その分納める税金が増えたとしても、手元に残るお金(利益)が増えることになります。
自分でやるデメリット
確定申告を自分でやるデメリットは以下のとおりです。
ポイント
・経理に時間がかかり、本業に打ち込める時間が減ってしまう
確定申告で青色申告する場合は、提出書類がそれなりにあります。
申告書のほか、各種帳簿(損益計算書や貸借対照表)なども提出しないといけません。
もちろん自分で作成することも可能ですが、最初はかなりの時間が必要です。
また、事業が忙しく、うっかり確定申告期限を過ぎてしまった、なんてこともあるかもしれません。
確定申告を税理士に依頼するにはどうしたらいい?
税理士を探すなら『税理士マッチングサイト』がおすすめ。
(上記画像からサイトに飛べます)
マッチングサイトを使えば、全国各地から、自分に合う税理士を見つけることができます。
税理士を探す際は、下記のポイントを意識して探してみるのがおすすめです。
自分に合う税理士を探すポイント
・得意分野
・人間性
税理士報酬
安いに越したことはありませんが、安いことには理由があります。
例えば、安いけどサービスの質が低いとか、売り出し中だから報酬を安く設定しているとか。
安いものに飛びつくのではなく、サービス内容にも納得できる税理士を選びましょう。
得意分野
税理士にも得意分野があります。
例えば、仮想通貨(暗号資産)の確定申告をしたいのに、依頼する税理士が仮想通貨の確定申告が不得意だと、不安ですよね。
自分の事業の内容と、税理士の得意分野がマッチしているか、税理士を決める段階で確認しておきましょう。
人間性
ビジネスの関係といっても、最後は"人と人"の付き合いです。
本音で話し合える関係を作れそうな税理士を選ぶのがおすすめ。
いい関係が築けると、経理相談だけでなく、事業拡大に関する相談など様々な面で税理士があなたの力になってくれます。
仕事柄多くの税理士と関わりがありますが、中には上から物言うタイプの方や、無愛想な方もいらっしゃいます。
そういった面で考えても、人間性は、最も大事な選定ポイントかもしれません。
上記のように、様々な視点から税理士を比較していくといい税理士に巡り合う可能性が上がります。
そう考えると、地域の○○税理士にお願いしよう、というのはあまりおすすめしません。
今はネット上で会議や書類をやりとりできるので、比較してみて、結果遠方の税理士と契約してもOKです。
依頼する税理士を今から探す方は、広い範囲で自分に合う税理士を探してみましょう。
確定申告を自分で全部やるにはどうしたらいい?
確定申告を全部自分でやる場合は、以下のものを揃えましょう。
・ふせん ・ファイル
・パソコン ・会計ソフト
ふせん、ファイルは、日々の領収書の管理に役立ちます。
管理方法は自分の分かりやすい方法でかまいません。
以下におすすめの領収書管理方法を紹介しますので、参考にしてみてください。
おすすめの領収書管理方法
・月ごとにコピー用紙等に貼り付けて管理する
パソコン、会計ソフトは、決算書類や確定申告書類を作成する際に活躍します。
特に会計ソフトは、65万円の青色申告特別控除を受けるための書類作成にかなり便利。
手作業で作成するのは正直かなり時間と労力が必要です。
会計ソフトは家電量販店等で買い切り型のソフトを購入できますが、クラウド型ソフトの方がおすすめ。
クラウド型会計ソフトがおすすめな理由
・税制改正の際にアップデートされる
・IDとパスワードがあれば、どの端末からでもアクセス可能
様々なクラウド型会計ソフトの比較は、下記の記事が参考になります。
-
【2021年版】個人事業主向けおすすめ会計ソフトは3つだけ!
続きを見る
税理士に依頼する場合と、自分でやる場合の費用的な違いは?
おおよそではありますが、発生する費用の目安は以下のとおりです。
税理士に依頼する場合と、自分でやる場合の費用
・税理士に依頼 … 年間約20万円(丸投げの場合)
自分でやる場合は労力・時間などはかかりますが、単純な出費だけで言えば10倍近くかかる可能性があります。
結構痛い出費ですよね。
最後のまとめに、出費を抑えつつ失敗を減らせる方法を紹介しているので、参考にしてみてください。
確定申告書は自分で作成or税理士に依頼? まとめ
確定申告を自分で作成するのか、税理士に依頼するのか。
金額面だけでは測れないものがあります。
税理士に丸投げする方が楽ですが、それだと経理・経営の勉強ができません。
事業を大きくしていきたいのであれば、経営の勉強は必須。
最終的に判断するのはあなた自身ですが、仕事上いろいろな事業者と関わってきた立場からおすすめするのは以下の方法です。
①日々の収支管理は自分でやる
②確定申告書類・決算書類の作成は税理士に依頼する
こうすることで、自分にも経理・経営の知識がつきます。
また、税理士に丸投げしないので、費用面でも抑えることができます。
是非、あなたに合った方法を探してみてください。